メンバーコラム

まちと医療と、やさしいPRの交差点で。

2025.06.05

株式会社FLOCALに参画して考えた「Public Relations」のこれから

あらためて、はじめまして。
株式会社kushamiのPRプランナーの飯嶋健司です。
このたび、地域医療に新たな選択肢を提示する株式会社FLOCALに、PRとして関わらせていただくことになりました。

FLOCALは、医療者が地域で働く「意志」と「選択肢」を支え、地域医療の持続可能性を再構築しようとする新しい仕組みです。
彼らが立ち上げようとしているのは、単なる人材マッチングのシステムではありません。
医療、経営、そして地域コミュニティを一体として考える「関係性のプラットフォーム」です。
そして、私たちkushamiが取り組んできたのも、まさに“関係性の再設計”でした。
FLOCALとの出会いは、その延長線上にあります。

地域医療という「課題」は、実はコミュニケーションの問題でもある。

「地方では医師が足りていない」「病院の経営が厳しい」──
こうした話題を耳にしたことがある人も多いと思います。
でもその背景には、「医療者がなぜそこに行けないのか」「地域で医療をするってどういうことか」
といった文脈の共有が、実はとても足りていないと感じます。

取り組む課題1、(地域・自治体):医療の需給バランス
取り組む課題2(医療機関、院長):院長の孤独、病院のソフトの問題
取り組む課題3(医師):キャリアと定住の問題

医師になっても、どこで働けばいいのか迷う。
地域の病院を引き継いだ院長が、経営と診療の狭間で孤独を感じている。
住民は「医療がある安心」の意味を、じわじわと失っている。
これらは制度や人材配置の問題であると同時に、「伝わっていない」「届いていない」ことの問題でもあります。

だからこそ、「PR」ができることは、意外と多いんじゃないか──
そう感じたことが、FLOCALに関わろうと思った大きなきっかけです。

「伝える」ではなく「つなぐ」ためのPRを。

PRという仕事は、ただ情報を発信することではありません。
ときには声なき声に耳を傾け、ときには社会の空気を編み直しながら、
誰かの想いと、必要としている誰かとを、つなぎ直していく仕事だと思っています。
Kushamiとして、私はこれまで多くの社会的プロジェクトに関わってきました。

医療の働き方改革、環境問題、教育格差、地方創生──
さまざまな課題と向き合いながら、声を届け、関係をつくるお手伝いをしてきました。
FLOCALが取り組むのは、まさにその「声」と「関係」の再設計です。
地域医療に関わりたい医師の想い、
地域で病院を守りたい人たちの願い、
そして、安心して暮らしたい住民の生活。
それらを、分断ではなく循環として捉え直す。
FLOCALは、そんな“関係性の装置”として立ち上がりました。

FLOCALという装置の「意味」を、社会と共有していく。

FLOCALの設立メンバーは、診療もできて、経営にも向き合える、真の“当事者”です。
診療だけでなく、病院経営、地域施策、教育活動などを含めて、まさに“まちの総合医”としての視点を持つプロフェッショナルたちです。
そして、彼らは病院の外に出て、地域や住民と向き合おうとしています。

FLOCALは、医療と地域をつなぐ会社

彼らが目指しているのは、医師の多拠点生活支援、医療経営の現場支援、そして地域コミュニティづくりの3点セットを「同時に」実装していくこと。
そして私は、PRの立場から、その全体像の“意味づけ”と“翻訳”を担っていこうと思っています。

医療機関向けには、収益面にとどまらない支援を提供
自治体向けに地域とその土地の医療に必要なサービスを正しく流通させる仕組みを提供
医療者向けには地域でのはた書き方とコミュニティ、教育、研究環境を提供
  • 「なぜFLOCALが必要なのか」
  • 「どんな医療者に、どんな選択肢を提供できるのか」
  • 「それがどんなふうに地域に還元されるのか」

こうした問いに、社会の言葉で丁寧に応えていくことが、PRとしての自分の役割だと考えています。

病院広報とは違う。 行政施策のPRとも違う。 これは、未来の地域と医療の関係性をデザインする挑戦です。

まちづくりも、社会的処方も、医療DXも。

社会的処方EXPOでの登壇の様子
社会的処方EXPOで登壇しました
「文化的処方のはじめの一歩」をテーマに東京藝術大学の教授たちとトークセッションの様子
「文化的処方のはじめの一歩」をテーマに東京藝術大学の教授たちとトークセッション

Kushamiが歩んできた「やさしいPR」の実践。
kushamiは、「Public Relationsを、あたりまえにする。」をミッションに、
やさしいPRで、やさしい世界をつくることを目指してきました。
「おもいやり」「わかりやすさ」「しなやかさ」──
私たちのPRは、“処方”というコンセプトのもと、組織や人が社会とのより良い関係を築くためのコミュニケーションを設計してきました。

とくに近年では、「社会的処方」や「文化的処方」の分野で、医療と社会をつなぐ新たな言語や仕組みの必要性に強く共感し、医師や研究者の皆さんと協働しながら、PRの立場から支援を続けています。

  • SNS医療のカタチ」の選書フェアやトークイベント
  • 「文化的処方のはじめの一歩」小冊子の制作
  • まちづくり×ひとづくりPBLプログラム「ミチシロカ」の設計
  • 日本地域医療学会での登壇や院内広報支援の取り組み

これらすべてが、“Public Relations=社会とのより良い関係づくり”という視点から生まれた活動です。

「やさしいPR」が支える、医療とまちの新しい関係

FLOCALのような挑戦を支えるために、PRができることは想像以上にたくさんあります。
たとえば、地域で働きたい医師にとって「FLOCALを知る」きっかけをつくること。
たとえば、病院や自治体が「新しい経営支援のカタチ」としてFLOCALに相談できるようになること。
あるいは、地域住民が「医療に関われる安心感」を持てるようになること。
これらはすべて、PRが設計する“社会との接点”のなかで実現していくものです。
「診察室の拡張」「医療の民主化」── 社会的処方EXPOでも共有されたように、いま医療のあり方そのものが変わろうとしています。
私たちkushamiもまた、「21世紀は、コミュニケーションで病気を治す時代」だと信じています。

この記事を書いた人

飯嶋健司代表取締役・PRプランナー

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