メンバーコラム

kushamiメンバーが執筆するコラムです。
PRに関係あることもそうでないことも、徒然なるままに書き記しています。

2025.07.17

「PR会社は必要か?」──今、PRパーソンに問われる存在意義

飯嶋健司(代表取締役・PRプランナー)

近年、クライアント企業のインハウスPRチーム強化や、AI/SaaS型PRツールの普及が進み、「プレスリリースは自社で出せるし、SNS投稿も自動化できる」「わざわざ外部に委託する必要は?」という声が高まっています。今回、PR会社視点で、これから存在し続ける意味、提供すべき価値について探ります。 「PRって、もう自社でできるよね?」 近年、大手企業を中心に、自社内でプレスリリースの作成・配信、メディアリレーションズ、SNS運用をすべて内製化しようという動きが加速しています。その背景には、AIやSaaS型のPRツールが急速に普及し、プレスリリースの自動生成や配信効果のリアルタイム分析が容易になったことがあります。 こうしたインハウスPRチームの体制構築強化と技術的効率化の進展を前提にすると、いわゆる従来型である“代理店”といわれるPR会社にとって「外部リソースを活用する価値は何か」「PR会社としてどのような差別化要素を提供すべきか」を改めて明確化する必要があります。 インハウス×エージェンシーのハイブリッド運用の実態 近年、多くの企業では日常的なプレスリリース配信やメディアリストの管理といったオペレーション業務を自社のインハウスPRチームに内製化しつつあります。しかし、ブランドの核となるストーリー設計や大規模キャンペーンの立案、さらに万が一の事態に備えた危機管理対応など、高度な専門性や幅広いネットワークが求められる領域については、外部のPR会社に委ねるハイブリッド運用が現在でも主流です。社内外のリソースを役割に応じて最適に使い分けることで、“効率”と“戦略性”の両立を図るのが現状です。 また、クライアント企業の多くは「自社のPR担当者は事業理解に優れているが、業界横断的なネットワークや最新ノウハウは外部パートナーに依存したい」というニーズを抱えています。加えて、従来の固定フィー型に加え、成果に応じた報酬モデルや手数料体系の柔軟化を求める声も増加しており、PR会社には単なる業務代行ではない、リスクを分かち合うパートナーシップが期待されています。 スタートアップ/地域企業に求められる“擬似インハウス”の役割 大手企業のハイブリッド運用モデルでは、インハウスチームと外部PR会社がそれぞれ得意領域を分担し、「効率×戦略性」の両立を実現しています。しかし、スタートアップや地域密着型…

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2025.06.19

ファンづくりって上から目線?「ファンを”つくる”ではなく、ファンに”なる”」から始まる関係構築

飯嶋健司(代表取締役・PRプランナー)

「ファンを増やす」の視点って、上から目線じゃない? 企業のマーケティングでは、しばしば数値目標として「ファンを●●人に増やす」と掲げられます。 確かに、フォロワー数や顧客リストの数は分かりやすい成果指標です。しかし、そこにはいつの間にか“企業>>>>顧客”という「上から目線」構図が生まれ、言葉だけが空回りしてしまうことも少なくありません。もともと私自身もかつては良かれと思って、「どうやってもっと“認知”を広げようか」「どのキャンペーンが効果的か」といった議論に躍起になっていた時期がありました。 もちろん、それ自体が間違っているわけではありません。けれどその言葉の裏側には、知らず知らずのうちに、“届ける側”と“受け取る側”という非対称な関係性がにじんでしまうことがあります。 一方で、「自分たちが誰かのファンになる」──そんな姿勢に立ったとき、関係の構図はがらりと変わります。推しのことを深く知ろうとする。推しの言葉に耳を傾ける。推しが頑張っている姿を見て、応援したくなる。そのすべてが、「やさしい関係性」を築くための、自然な営みなのだと気づきます。 Public Relationsは「知ろうとすること」から始まる 私たちが考える“やさしいPR”とは、いわば「知ろうとすること」を大切にするPRです。押しつけるのではなく、無理に注目を集めるのでもなく、まずは相手を理解し、尊重し、好きになる。それは、相手を「ターゲット」として扱うのではなく、「一人の人」として向き合うということ。 企業が誰かの“推し”になるには努力が必要です。・その人が何を大切にしているかを知ること・対話を重ねること・時にはお金や時間をかけて応援すること でも、そのプロセスがあるからこそ、伝える言葉にも実感がこもります。熱が宿ります。PRは決して一方通行の伝達手段ではありません。人と人、企業と社会が、やさしさでつながっていくための関係構築の営みなのです。 kushamiは、「ファンを増やす」ことをゴールとは考えていません。むしろ、「企業が誰かのファンになる」ことこそが、真に対等で、持続可能な関係性のはじまりだと信じています。“推し”のことを真剣に知り、好きになり、応援する。そんな企業の姿勢が、最終的に「誰かに好きになってもらえる」きっかけを生むのだと思います。 やさしいPRは、特別なテクニックではありません。日…

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2025.06.05

まちと医療と、やさしいPRの交差点で。

飯嶋健司(代表取締役・PRプランナー)

株式会社FLOCALに参画して考えた「Public Relations」のこれから あらためて、はじめまして。株式会社kushamiのPRプランナーの飯嶋健司です。このたび、地域医療に新たな選択肢を提示する株式会社FLOCALに、PRとして関わらせていただくことになりました。 FLOCALは、医療者が地域で働く「意志」と「選択肢」を支え、地域医療の持続可能性を再構築しようとする新しい仕組みです。彼らが立ち上げようとしているのは、単なる人材マッチングのシステムではありません。医療、経営、そして地域コミュニティを一体として考える「関係性のプラットフォーム」です。そして、私たちkushamiが取り組んできたのも、まさに“関係性の再設計”でした。FLOCALとの出会いは、その延長線上にあります。 地域医療という「課題」は、実はコミュニケーションの問題でもある。 「地方では医師が足りていない」「病院の経営が厳しい」── こうした話題を耳にしたことがある人も多いと思います。 でもその背景には、「医療者がなぜそこに行けないのか」「地域で医療をするってどういうことか」 といった文脈の共有が、実はとても足りていないと感じます。 医師になっても、どこで働けばいいのか迷う。地域の病院を引き継いだ院長が、経営と診療の狭間で孤独を感じている。住民は「医療がある安心」の意味を、じわじわと失っている。これらは制度や人材配置の問題であると同時に、「伝わっていない」「届いていない」ことの問題でもあります。 だからこそ、「PR」ができることは、意外と多いんじゃないか──そう感じたことが、FLOCALに関わろうと思った大きなきっかけです。 「伝える」ではなく「つなぐ」ためのPRを。 PRという仕事は、ただ情報を発信することではありません。ときには声なき声に耳を傾け、ときには社会の空気を編み直しながら、誰かの想いと、必要としている誰かとを、つなぎ直していく仕事だと思っています。Kushamiとして、私はこれまで多くの社会的プロジェクトに関わってきました。 医療の働き方改革、環境問題、教育格差、地方創生──さまざまな課題と向き合いながら、声を届け、関係をつくるお手伝いをしてきました。FLOCALが取り組むのは、まさにその「声」と「関係」の再設計です。地域医療に関わりたい医師の想い、地域で病院を守りたい人たち…

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