① ゴールを決めるところからはじめよう
PRは、「やること」ではなく「なりたい姿から逆算して考えること」が大事です。
ステップ1:10年後、3年後、1年後を思い描く
まずは、「私たちの会社やサービスが、10年後にどうなっていたらうれしいか」を書き出してみましょう。次に、その10年後の姿から逆算して、3年後、1年後にどうなっていたらいいかも考えていきます。
たとえば…
・10年後:「誰もが知っている◯◯業界の代表企業になる」
・3年後:「毎年◯社と新たに取引開始」「メディアに年5回取り上げられている」
・1年後:「都内での認知度◯%」「1本目のプレスリリースを出す」
ステップ2:理想の状態を“条件”に分解する
次に、それぞれの理想がどんな状態かを、具体的な“条件”で考えてみましょう。
例:
・「売上が年間1億円を超えている」 ・「『◯◯といえばこの会社』とSNSで言われるようになっている」 ・「メディア取材を月に1回受けている」
こうして目標が見えてくると、「何を知らせていく必要があるのか」もはっきりしてきます。
② 「発見」は、意外と社内にある
PRでは、「うちの会社では当たり前」のことが、外の人には「おもしろいニュース」になることがあります。
たとえば…
・「業界で初めて◯◯に取り組んだ」
・「創業から◯年、ずっと社員◯人で手作りしている」
・「社長が◯◯の出身で、◯◯をきっかけに起業した」
外から見ると、実はまだ知られていない「発見」がたくさん眠っています。
社員のなかで一番社歴が長い人や、創業メンバーと話してみるのもおすすめです。日々の何気ない雑談から、ニュースのタネが見つかることもあります。
③ それがニュースになるとしたら、どんな見出し?
見つけた“発見”を、ニュースとして世の中に出すとしたら、どんな記事タイトルになるでしょうか?
例:
・「町工場発、世界を変える新素材。社員6人の挑戦」
・「“廃校”が起業の拠点に。地域と育てる新しい働き方」
・「SNSで話題、昭和生まれの◯◯が令和にバズった理由」
このように、タイトルを考えることで、「どう伝えれば興味を持ってもらえるか」も見えてきます。
PRは、「知ってもらいたいこと」を「知ってもらえる形」に翻訳する仕事です。まずは、その翻訳の“見出し”を自分の言葉で考えてみてください。
おわりに:情報の整理が一番大事
PRの最初の一歩は、「何をどう伝えたいか」を整理することです。そして、整理できたら次はプレスリリースやSNS投稿など、少しずつ発信の手段を試していきましょう。
次回は、実際に「プレスリリースってどう書けばいいの?」「SNSは会社としてどう活用すればいいの?」といった疑問にお答えしていきます。
焦らず、でも一歩ずつ。あなたの会社や地域の魅力を、世の中に伝えていく旅が、ここから始まります。